新生JTマーヴェラス、始動!――北海道芦別合宿リポート――

今季から指揮官に石原昭久監督を迎え、新たな地平へと挑むJTマーヴェラス
「2009V・サマーリーグ 1次リーグ」突破の余韻も覚めやらぬ7月7日(火)から、チームは北海道芦別市での合宿に臨みました。
「“当たり前のことを、当たり前にできる”チームに」と語る石原監督。
新体制のもとで選手たちが何を思い、何を感じているのか、そしてチームは今後どのような変貌を遂げていくのか――。
石原監督へのインタビューと合宿での模様を通して、新生JTマーヴェラスの“現在”と“これから”に迫ります。

インタビュー 石原昭久監督

「石原」という監督の人間像を選手たちに知ってもらうこと。それが今回の合宿における第一の目的です。監督が交代したことで、チームも、そして選手たちも再び新しいスタートラインに立つことになります。ですから、まずは合宿で共有する時間を通じて選手たちとの距離を縮め、こちらの考え方に対する理解を深めてもらう。そして、チームの今後の方針について、全員の意思統一を図っていきたいと考えています。
練習では、パス力やレシーブ力などの強化にも取り組んでいます。これらの練習を一見すると、非常に簡単なことをしていると捉えられがちですが、実はそうではない。これまで、“できて当然”のこととしてないがしろにされてきたプレーは多くあります。例えば「ボールを受ける時はしっかり体を固定し、自分が送りたい方向へ正確にボールをヒットする」ということ。当たり前のことですが、それを試合中のどんな場面でも、たとえ何回ラリーが続いたとしても確実に遂行し続けていくのは本当に難しいものです。もしも練習でできたことをそっくりそのまま試合でも発揮できれば、それはスーパープレーになるでしょう。そういった意味で、今回の合宿における練習は、基本的なものであると同時に、非常に実戦的なものでもある、と私は捉えています。
選手たち一人一人が潜在的に持っている能力は非常に高く、私自身、驚かされることも少なくありません。その能力を生かすためにも、今シーズンはチームの足腰を強くしていくことが一つの目標です。
“当たり前のこと”を考えるまでもなく一連の自然な動作として、完璧にできるようにする。そのための練習を、今後も重ねていきたいと思います。

レーニン

この日行われたのは、パスとレシーブの徹底したトレーニング。
いずれもバレーボールという競技において最も基本的な動作であると同時に、最もおろそかにしてはならない重要なプレーといえます。日本のトップリーグに所属する選手たちにしても、それは同じこと。むしろ“できて当然”という感覚に陥りがちな部分だからこそ、もう一度見つめ直し、整備を図る。練習で得られたパフォーマンスを実際の試合の中で同様に発揮していくことの難しさと、それを実現するために不可欠な技術、そして高い意識を持つことの重要性を、石原監督は選手たちに繰り返し語っていました。
バレーボールの原点に立ち戻り、一から取り組む選手たちの姿が、そこにはありました。

コメント 久保 雅選手

今回の合宿にあたっては、石原監督に、これからJTマーヴェラスが目指すバレーボールがどのようなものなのかを、まず言葉で教えてもらいました。そのときに聞いた“石原監督のビジョン”を自分自身がしっかり理解し、そのビジョンを実際のプレーにどう落とし込んでいくのかということを知る上で、今回の合宿はとても大切だと感じています。一つ一つのプレーにしても、緻密に考えて取り組んでいかなければ、実際の試合に生かしていくことはできません。だからこそ、石原監督はとても細かく、深い部分まで指導してくれます。

コメント 神本千佳選手

今回の合宿では、特にスパイクフォームの修正に取り組んでいます。今はボールを打つ時にひじが前に出てしまっているのですが、それだと高い打点でのスパイクが打てないので、正しいフォームを習得していきたいですね。それから、ブロックに飛ぶタイミングについても石原監督から指摘を受けたので、より早く反応できるようにしていくつもりです。毎日の練習はとても充実していると感じています。石原監督の教え方は丁寧なだけではなく、できたらきちんと評価してくれるので、それが自分自身のやる気にもつながっていますね。

コメント 遠藤りつこ選手

「2009V・サマーリーグ 1次リーグ」では練習不足のせいもありましたが、細かいプレー、特につなぎの部分ができていませんでした。今回の合宿ではパスやレシーブなどすべてを“基本から正確にやる”ことを意識しながらやり直しています。今までなんとなくこなしてきたことに対しても、石原監督はきっちりと説明してくれるので、高い意識を持って取り組める。結果的に密度の濃い練習になっていると思います。私自身の今の課題はトス。今度の「2009V・サマーリーグ 決勝リーグ」に限らず、1年を通して正確なトスを上げられるようにしたいです。

コメント 加藤千尋選手

今回の合宿メニューには、ボール練習が多く取り入れられています。やはりボールにさわれるのは嬉しいですね。「2009V・サマーリーグ 1次リーグ」の内容を受けて、石原監督からはサーブやレシーブの安定、スパイクフォームなど細かい点をいくつか指摘されたので、その点を特に重視して練習に取り組んでいます。もちろん「2009/10V・プレミアリーグ」に向けて、この先はもっとたくさんの課題を乗り越えていかなければなりませんが、今回の合宿ではまず、その課題を乗り越えるための基礎を固めていきたいと思います。

コメント 西山慶樹選手

どんなプレーをするにしても、土台となる技術が固まっていなければ、V・プレミアリーグでは通用しません。今回の合宿はその土台固め。一見、地道ですが、その成果があってはじめて「応用」という段階に行けるので、しっかり取り組んでいきたいと思っています。私自身の課題は、サーブレシーブとスパイクですね。サイドを務めるのであればサーブレシーブを高いレベルで返せるようにならなければいけないし、スパイクでは二段トスを打ち切るための“余裕のあるジャンプ”を、自分の中で確かなものにしていきたいです。

コメント キャプテン 位田 愛選手

監督が変わったことで、練習をはじめとしたさまざまな部分も大きく変わりました。今回の合宿を通じて、石原監督が目指すバレーボールがどのようなものなのか、皆、少しずつ分かってきたように思います。今の自分に足りない点をどんどん指摘してくれるので、これまで気づかなかった課題を見つけられたり、改めて考えたりする機会が増えましたね。曖昧にしていた部分をクリアにしていくことで、きっと、より上手になれるし、さらにプラスアルファの技術も積み重ねていくことができると思います。私個人としてはもちろん、チームがこれからどう変わっていけるのか、とても楽しみですね。

《リポート》新生JTマーヴェラス、始動!――北海道芦別合宿リポート――